2010年8月12日木曜日

猫、ブースカのこと

4月下旬にうちにやってきた仔猫、ブースカ。

以前、「暑いね~」と、横になっている彼のお腹に顔をうずめて犬のように早い鼻呼吸で荒くクンクンしてみた。
私自身も動物らしくしたら、お互い良い関係になると思ったからだ。
ところが、ブースカは急に頭をもたげて睨みつけると、思いっきり私の頬骨を噛んだ。
お腹は動物にとっても急所の一つ。
そこに近づいたのが気に入らなかったのだと思った。

動物の爪の部分は発育が早く、しかも肉の間に隠れているので垢がたまりやすい。
爪を切ってやっていても、ちょっとすると臭うことがある。
チェックのために、後ろ足をつかんで爪の先で鼻をならしてクンクンしてみた。
ブースカは、後ろ足で私の顔を蹴り飛ばすと、やはりいきなり噛み付いてきた。

どうやら、ブースカはクンクンされるのが嫌いらしい。

隣の部屋から意地悪でクンクン鼻をならしてみた。
ブースカは鼻の回りのヒゲをピンと前のほうに立てて反応すると、遠くから走ってきて私の顔に飛び掛かり、私は横っ面を平手打ちされた。
前の猫はそんなことはなかったのに・・・。

私が勝手に想像するに・・・、
彼が野良母と一緒に餌を求めてある民家の敷地に入ったところ、そこには大きな犬がいた。
仔猫だったから、中型犬でもきっと大きく目に映ったはずだ。
犬にとっては、領域侵犯者。
近づいてくる犬に、野良母はサッと逃げたが、生まれて数ヶ月のブースカはもたついたに違いない。
犬は、何だ? 何だ? と鼻先を近づけてクンクンしながらブースカを追い回す。
ブースカは恐怖のあまりに動揺し、盲(スミマセン)めっぽう逃げ回り、そのときから親とはぐれてピンの野良になった。
それから、『クンクン』がトラウマになったのではないか。

噛み癖の治らない反抗的な猫だが、どこに行っても私を追ってやってきて、顔を見上げながら足元に絡む。
膝の上で寝るときは、私の腰に手を回すようにして「離れるもんか!」といった感じだ。
よほど一人の時間が辛かったのだろう。
クンクンされても、今度は負けないし、はぐれない。
ブースカのクンクン嫌悪の態度には、そんな凄みが感じられる。

でも、オモチャにくらいついているだけのブースかには、そんなことは微塵も感じられない。

ただのオバーカさんだ。


hiroko Inagaki art work
http://www.ne.jp/asahi/hiros/studio/

0 件のコメント:

コメントを投稿