2012年11月8日木曜日

棚田康司「たちのぼる。」展の感想

久しぶりに美術館に行ってきました。

練馬美術館でやっている、
棚田康司「たちのぼる。」展。

木彫の作品展です。

11月25日まで開催です。













私が最初に見た彫刻は、おそらく小学校校門脇にあった二宮金次郎像です。
その後は、女子高にあった少女像だったり、修学旅行で見た仏像だったり。
とにかく、写実的で、記録的に作られていて、説教臭いもの。
それが私の彫刻のイメージでした。

そのイメージを一変させたのが、船越桂氏の作品と、今回の棚田康司氏の作品です。
彫刻は拝むものではなくて、対峙して語り合うもの。
そう思うようになりました。

棚田氏は、少年少女をテーマにした作品で知られています。
純粋さと迷い、弱さと拒絶。
そんな思春期独特の相反するしぐさが、木像の中でまじりあっているように感じました。
姿は、ひょろ~っと細く胴長、面長です。
植物が発芽して二葉状態から次の葉が育つときの、ひょろひょろ感。
不安定だけど、太陽に向かって伸びようとしている姿。
確かに、「たちのぼる」力を感じました。

それと、私が棚田氏の作品で好きなところは、痛みです。
人間の姿にクギを打ち込んでみたり、目を樹脂でつぶしてみたり、とにかく痛い。
見ているだけで痛いんです。
その痛みを発する像は、とてつもなく大きな苦悩や辛さに耐えている姿が感じられて、私を大きく揺さぶってくる。
その踏ん張って耐えている姿に感動するんです。

しかも、その像が思春期の少年少女。
どんな悩みに押しつぶされそうなのか? 今の社会が悪いのか?
作品に対峙しながら、いろいろなことを考えさせられました。

彫刻っていいですね。
平面にはない、ゆるぎない存在感でせまってくる。
やっぱ3Dっていいな。

あと2週間ほどはやっていますから、興味のある方はぜひご覧になってくださいな。


hiroko Inagaki art work

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2 件のコメント:

  1. ジャコメッティもそうですが細さには、極限に向かった削ぎ落とされた傷みを感じさせますね。釘や目つぶしの表現は知りませんでした。美術手帖かな表紙に載った作品が、以前いた同僚にそっくりでした。吊り目でエキセントリックでした。現実にいそうな処と創造性が溶け込んでいて引き込まれます。rain

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  2. >raintreeさん
    ライフマスクを被せて途中まで人間の形状に進めたところにグサッと何かと突き立てる。腹の部分に滅多切りの跡。とにかく痛かったです。
    そう、そう! 私の知人にも似てる人がいます。船越さんの世界は昇華された異次元だけど、棚田さんが見せる世界は現実世界とリンクした生々しさだと思いました。

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