2015年8月23日日曜日

獅子座のシンボル

5月展示のキャプション公開振り返り。
展示のときのキャプションに、若干手を加えております。


そろそろ終盤の8月は、獅子座の月。
獅子座の守護惑星は、古代ギリシャ、ローマでは、ライオンは太陽神のシンボルです。
去りゆく夏を想いながら、ライオンのご紹介。
 





【ライオン/Panthera leo】
ネコ目 > ネコ科 > ヒョウ属
体 長 : 約300cm
分 布 : アフリカ・インドに点在


 ライオンは、仏ラスコー壁画にも描かれ、古代神話にも登場するように、約1万年前の更新世末期頃からの存在が確認されている。近代初期まで、アフリカ大陸からインドを中心に、東南アジアに至るエリアに生息しており、その時代、その土地にさまざまな伝説を残している動物だ。

 古代において、ライオンは王の力を宿らせると思われていた。古代アッシリアではライオン狩りは王族だけに与えられた特権だったし、メソポタミア遺跡では、K-1選手よろしく、ライオンを鷲掴みにする王の姿を掘った石版が出土されている。ライオンを倒すことは権力の証でもあったようだ。
 中世では、ライオンそのものが権力の象徴となる。ヨーロッパの君主たちは、こぞって雄々しいライオンをデザインした紋章を作り、一族の旗印としていた。ライオンいなかっただろ?と突っ込みたくなるベルギー、スウェーデンまでもが、正式国旗にライオンを入れているのは、その名残だ。
 現代でも、鉄鋼の強靭さと切れ味をイメージしてプジョーの真正面ではライオンが立ち上がり、商売の王者たらんとして三越前にも鎮座する。「ジャングル大帝」や「ライオン・キング」にもみるように、今でもライオンのオスには王者のイメージが求められている。

 こうして見るライオンの歴史観の前面を飾るのはオスばかりだが、メスだって負けてはいない。古代ギリシャにはライオンのメス信仰があった。そもそも、群れのために狩りをするのはメスだ。組織で機動的に狩りをするメスの高い戦闘能力は古代エジプトでは高く評価され、神話上最強の神として崇められた。遺跡類にライオンの顔をもつ女性として描かれていたり、スフィンクスのように顔がヒトの女性という偶像がそれだ。

 現在、ライオンは減少の一途をたどり、絶滅危急種となっている。人間の保護下に置かれている状況だが、それでも、今も昔も、オスもメスも、ライオンのイメージは威風堂々である。

 ちなみに、伊フィレンツェのアルノ川沿いにあるヴェッキオ宮殿には風見獅子が付いている。南風が吹くとフィレンツェは雨になりやすい。風見獅子が南を向くと、そのお尻はアルノ川に向く。「ライオンがアルノ川におしっこすると雨になる」と、フィレンツェのライオンはかなり庶民派だ。
                                                 

hiroko Inagaki art work

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