何かと忙しかった7、8月。
その大半の時間をつぶしたのが野良猫活動とその後でした。
7月1日、小柄なメスの野良猫を捕獲。
不妊手術のため動物病院へ。
翌日、「麻酔して剃り上げたら手術痕がある」と連絡あり。
野良猫のリリース時には、オスは右、メスは左耳の端を小さくカットします。
動物への全身麻酔は臓器負担が大きく何度もできることではありません。
耳カットは、保護活動している人には不妊済みと分かる目印。
猫にとっては、不要な捕獲のストレス回避。
そして、無駄に全身麻酔や開腹手術をされないための大事な印です。
カット後の耳の形状から「さくら猫」と呼ばれるようになります。
手術痕。
つまり飼い主さんがいた、もしくは外飼いの可能性がある。
でも、ウチの庭には2カ月前から居ついて、家の裏側はトイレになってる。
こりゃ、すでに野良化した可能性が高いだろ。
だったら猫の身体負担回避を優先だ。
「では、耳カットだけしてください」
「飼い主さんいるなら勝手にいじらないほうがいい。ヤクザだったら嫌でしょ」
ヤクザかどうかはどーでもいーけどさぁ。
でも、確かに飼い主さんの権利もある。
とりあえず、麻酔の切れる2日後に処置しないまま引き取ることに。
でも、このままリリースして私以外の人に再捕獲されれば再麻酔だ。
猫は20~25年生きる動物だから、自分の老い先考えると自分の保護は無理。
飼い主探しも譲渡先探しも難しいだろうし。
引き取りまでの2日間ウンウン唸って考えて病院に。
「保護して譲渡先探したい。自宅保護のため血液検査お願いします」
思案に思案を重ねて思い切って宣言したのに、ところが、
「麻酔効いてるうちに言えばいいのに。はっきり言って面倒」
「大人しいので私が押さえていますから」
「絶対暴れないとは言えないだろ。怪我の可能性あるならやる必要ない」
かなり強めに言われてしまいました。
もともとTNRやさくら猫のことも知らなかった獣医。
カットしないで戻したり、左右のカット間違えたり。
TNRが野良猫活動であるとともに地域活動であることにも、いまだ関心が薄い。
野良猫扱ってくれるからと下手に出てたけど、ついに出た「面倒」発言。
嫌がってる獣医に、へーこらしてまで診てもらうこたないよな。
いったん引き下がって赤い首輪をつけてリリース。
赤い首輪は、飼い主気配を伝えて捕獲回避しようという苦肉の策です。
なのに数日後、首輪が外れてる状態で登場!
リリースしても不安が続くなら、保護して譲渡先探しする!
なついたところを再捕獲して、保護猫活動に理解あるという別の動物病院へ。
そこで判明した、猫白血病ウイルス(FeLV)!
この子は、もとより病院対応が必要な子だったわけね。
で、動物に想いがない最初の病院じゃ、とうてい無理だったと。
「2、3歳(おそらく現在)で発症し長くて5歳。譲渡も難しいですよ」
「だったらウチで飼いますよ!」
という成り行きで、ウチの2畳半程度の玄関にいます。
最初の保護が7月初日だったので命名は「ナナ」ちゃん。
感染しないよう先住猫と隔離だけど、ウチ狭くてスペースなくてゴメン。
思い返してみれば、ナナとはすでに縁があった気がする。
2年ほど前、私のTNRのきっかけとなった子連れ猫が我が家に現れた。
画像奥が私のTNR2番目のペコちゃんで、手前がその子供。
おそらく、この子がナナではなかろうか。
いったん拾われて飼われたものの、脱走してしまったのだろう。
母猫ペコは保護したとき、舌先を常に出していて涎を多く出す猫だった。
白血病での口内炎を発症していたとすれば、ナナは母子感染。
母猫ペコは最近来ないから、どこかで死んでしまったかも。
その娘が、巡り巡って再びウチの庭に現れるということも、
信頼できる病院がすんなり見つかったということも、
思わず口走った「ウチで飼います」発言も、
みんな神様の導きで予定されていた偶然の連鎖のような気がする。
だったら抗っても仕方ないこと、迷わず保護しよう。
警察にも拾得物届を提出し、撮影もされました。
飼い主さん探してくれてますか?
人懐こくてお行儀のよいナナちゃん、今も頑張って生きてます!
早く見つけてあげてください。
ただし、保護期間中の病院代他経費は請求します。
今後の飼育も考え、覚悟のうえで引き取ってください。
元の飼い主さんの所有権失効は10月27日です。
7月から、ずっとこのドタバタ続き。
先住猫たち含め猫3匹の予防、隔離、除菌の生活のための準備と通院。
そして、長い世話をするにはまずは自分の健康から。
自分の健康診断と、その後の検査での通院。
全員が心身ともに強くあらねばならぬ!
という気持ちで次の作品作ってます。

生きることに燃えてる赤だよ。
燃えてるんだよ!