少し前の話ですが、ペンギン作品がお嫁入りしました。
額装もちょこっとお手伝いさせていただきました。
大変有難いことです。
今回のお嫁入りは、自分にとって大きな学びでした。
私は、動物の命にスポットを当てて作りたい。
複数の動物がいる風景画ではなく、動物個体1匹を詳細に作りたい。
だから、いつもは動物に対峙して一針入魂ドーン!の作品が多くなります。
それに対して、ペンギンは複数匹を並べた風景画。
構図バランスなど動物個体以外にも気を回して作ります。
動物に対する自分の気持ち、薄まっちゃわない?
ちゃんと伝わるんだろうか?
そういう不安はあったものの、蓋を開けてみれば人気。
「飾れるかしら?」と関心を持ってくれた方が多い作品でした。
おそらく、自分が抱いた不安部分が功奏したんだと思います。
動物以外に気を配るために、作者の思う動物こうだ!という圧が弱くなる。
その部分に、観る方の気持ちが入りやすかったのかなと。
展示は、作品を通してのコミュニケーションの場だと考えています。
だからこそ、自分を偽らずに主張する作品を展示したい。
だからって個人主張の強い作品にグイグイ来られても近寄りがたい。
人間関係だったら仲良くなりづらいですよね。
これではコミュニケーションはとれない。
ペンギン作品は、「風景」になって私の主張が弱まった。
(私という人間が、ちょっと圧強めです(^^;)
その分、身構えずに近寄ってもらえる余裕ができたんじゃないかと思います。
3匹のペンギンに、動物園のお気に入りペンギンを重ねる方。
自分の友人たち、家族を重ねる方。
観る方々それぞれが、画角に自分なりのストーリーを生む余裕があった。
私の作品の中では小さめで、家庭で飾りやすくもある。
それらが人気となった要因かな?と思います。
実際、お迎え頂いた方もご家族への思いをペンギンに重ねていらしたようです。
観る方の思いを受け止める幅があってのコミュニケーション。
逆に返せば、圧の強すぎる作品は作者からの押し付けだったかも。
作品が偽りなき自分自身であることも大切。
でも、社会の一員として相手を受け止める包容力も必要。
自分が社会の一部であるように、アートも社会の一部でありたい。
今回のお嫁入りは、あらためてソコに気づかせてもらえました。
ペンギンたちが新しい家族として迎えられ、可愛がられますように。
主張しながらも、心穏やかに相手を受け入れる。
アク強しの私には難しいこと(笑)ですが、作品は是非そうありたい。
最近、小さな作品にトライしています。
これも、画角いっぱいにバーン!と思いをぶつけない鍛錬(笑)
熱さがウリではありましたが、社会に馴染む更生中です。
といっても、約A2サイズなので小さくはありませんがwww