2022年6月21日火曜日

ケープペンギンがお嫁に行きました

 少し前の話ですが、ペンギン作品がお嫁入りしました。
額装もちょこっとお手伝いさせていただきました。
大変有難いことです。


今回のお嫁入りは、自分にとって大きな学びでした。

私は、動物の命にスポットを当てて作りたい。
複数の動物がいる風景画ではなく、動物個体1匹を詳細に作りたい。
だから、いつもは動物に対峙して一針入魂ドーン!の作品が多くなります。

それに対して、ペンギンは複数匹を並べた風景画。
構図バランスなど動物個体以外にも気を回して作ります。

動物に対する自分の気持ち、薄まっちゃわない?
ちゃんと伝わるんだろうか?

そういう不安はあったものの、蓋を開けてみれば人気。
「飾れるかしら?」と関心を持ってくれた方が多い作品でした。


おそらく、自分が抱いた不安部分が功奏したんだと思います。
動物以外に気を配るために、作者の思う動物こうだ!という圧が弱くなる。
その部分に、観る方の気持ちが入りやすかったのかなと。

展示は、作品を通してのコミュニケーションの場だと考えています。
だからこそ、自分を偽らずに主張する作品を展示したい。
だからって個人主張の強い作品にグイグイ来られても近寄りがたい。
人間関係だったら仲良くなりづらいですよね。
これではコミュニケーションはとれない。

ペンギン作品は、「風景」になって私の主張が弱まった。
(私という人間が、ちょっと圧強めです(^^;)
その分、身構えずに近寄ってもらえる余裕ができたんじゃないかと思います。


3匹のペンギンに、動物園のお気に入りペンギンを重ねる方。
自分の友人たち、家族を重ねる方。
観る方々それぞれが、画角に自分なりのストーリーを生む余裕があった。
私の作品の中では小さめで、家庭で飾りやすくもある。
それらが人気となった要因かな?と思います。
実際、お迎え頂いた方もご家族への思いをペンギンに重ねていらしたようです。

観る方の思いを受け止める幅があってのコミュニケーション。
逆に返せば、圧の強すぎる作品は作者からの押し付けだったかも。

作品が偽りなき自分自身であることも大切。
でも、社会の一員として相手を受け止める包容力も必要。
自分が社会の一部であるように、アートも社会の一部でありたい。
今回のお嫁入りは、あらためてソコに気づかせてもらえました。
ペンギンたちが新しい家族として迎えられ、可愛がられますように。


主張しながらも、心穏やかに相手を受け入れる。
アク強しの私には難しいこと(笑)ですが、作品は是非そうありたい。
最近、小さな作品にトライしています。
これも、画角いっぱいにバーン!と思いをぶつけない鍛錬(笑)
熱さがウリではありましたが、社会に馴染む更生中です。
といっても、約A2サイズなので小さくはありませんがwww

2022年5月31日火曜日

お教室活動はやっておりません

 展示をすると、よく受ける質問。


「教えてもらえますか? お教室はどこ?」

申し訳ありません、現在、教授活動はしておりません。
この質問は以前よりありました。
今回は、ワークショップの依頼も数件お話がありました。
が、制作環境が整わずなかなか難しい状況です。


私の手法は習ったものではありません。
手刺繍を自分の気持ちにそっていじくっていたら、こうなった。
「手法」と呼ぶにはおこがましい、私なりの作り方です。
よく言えば、セレンディピティ。


①手刺繍のようにメソッドが確立されていない

教室活動ができない一番の理由が、まずコレ。

どんな生地を使うのか?
作品中のどこにミシンを使いたいのか?
私の感覚で作っているので、伝えることが難しい。


②すぐに使える適切な糸がない

私の現在の手法では手刺繍の糸を使用しています。

コレ、そもそもがミシン用ではない。
この甘より綿糸が精密機械に向いていない。
大量のホコリを発生させ、ミシンの不良、故障原因になるからです。
なので、私も積極的にやってみなはれ!とは言いづらい。
小まめなお掃除が必要で、これまた面倒くさいし。


③アームの長いミシンが必要

直線縫いではないため、アームの長い作業袖付きのものが望ましい。
アームが長いミシン、結構な金額ですよ。
教室活動するなら、このミシンが複数台ほしいところ。
場所もかかれば資金もかかる、私にはハードルの高い話です。


そんなわけで、お教室活動はできておりません。

私の今の手法は、表現はできても、伝授ができない。

この現状、私も大変もどかしい!


糸メーカーさんが玉糸を作ってくれて......
そして、
ミシンメーカーさんがヘルプしてくれて......

環境が整ったら、教室活動前向きに考えたいです。

2022年5月25日水曜日

注文制作ができない理由について

 展示をすると、よく受ける質問。


「受注で作ってもらえますか?」

申し訳ありません、現在、受注はお受けしておりません。

先の展示では、この質問がいつもより多かったです。
おそらく、ウチの猫たちの作品を展示したからでしょうか。
亡くしたペットを作ってほしいというお話がいくつかありました。


誤解をさせてしまったなら、ごめんなさい。

私の作品は、自分のイメージに合わせて生地をコラージュ。
その上にミシンで刺繍するという手法です。
どんな生地を使うのかは、私のイメージで決めます。
どう刺繍するのかも、私のイメージ。
なので、イメージがしっかり掴めないものは作りづらい。

例えば、ウチの黒猫はとても激しく人見知りします。
人前に姿を見せることが少ない女の子。
でも、いつもはぴょんぴょん跳ねるように駆け回って明るく楽しそう。
じゃあ、花いっぱいのお転婆さんにしてやろう!
そこで、花柄びっしりにして作りました。

彼女が心を開いてくれるのも長い付き合いがあればこそ。
私が彼女に抱いた印象は、長くともに生活する中で生まれたものです。
でも、画像だけを見れば、違う印象を受ける方もいると思います。
非常に警戒心は強いけど、飼い主にはツンデレ甘えん坊。
でも画像だけでは、人馴れした落ち着いた黒猫にしか見えないかも。

それと同じことです。
「作って!」と写真を提示されても、そこから受けるイメージでしか作れません。

模写なら、手刺繍だけのほうがきれいにできるかもしれません。

でも私の場合は、ベースに私がイメージを投影する生地を使う。
ミシンでの刺繍についても同様です。
依頼主と私のイメージが乖離すると全く違うものが出来上がります。

自分の抱いているものと違うものが出来上がる。

怖くないですか??

なので、注文制作はお受けしないことにしています。

いろいろ御託を並べましたが、理由は簡単。
「自信がないから」です。
ご依頼主の意向と対象に向ける愛情や印象。
今の自分には、それらをすべて拾い上げる力がないからです。

そんなわけで、受注制作はお受けしておりません。


自分にそれだけの力がついてきたとき、お受けできたらいいな。
どうぞ、長い目でお待ちいただければ幸いです。

2022年5月19日木曜日

作品販売について

展示をすると、よく受ける質問。

「作品は売っていないんですか?」

積極的ではありませんが、売っています。

私の作品は画像では質感がうまく伝わりません。
展示会場で現物をご高覧いただいた方に、
ご希望があれば価格をお伝えしています。

部屋に飾るとなれば、額装代も発生しますし、場所も取る。
しかも、大きい作品が多い。
ご購入の際は総合的にご検討ください。


動物を描いています。
購入は、私としては「飼いたい」というご希望として捉えています。
紫外線を避け、終始室内「飼い」をお願いします。
管理が徹底していれば、正倉院の宝物並みになるかも(笑)



作品がお嫁入りすることは大変嬉しいことです。

人の心を受け止められる動物であってほしい。
見つめあって心で対話できる動物であってほしい。
そう願って、目に表情を入れて作っています。

新しい家族を迎え入れよう。
そう思っていただければ幸いです。

2022年5月11日水曜日

「イトモノ」縮小自宅展示、終了しました

 東京京橋での5回目「イトモノ」展示は終了。
梱包された作品がドカドカと戻ってきました。
戻ってきた作品は、いったんキャンバス枠から外して緩く洗濯。
乾く前にアイロンで整形(これがメチャ大変!)。
キャンバス枠も全て解体。
作品は簀巻きにし、キャンバス枠もひとまとめにしてお片付け。

その前に、作品が大型化しているので収納場所も確保しなきゃ!
作業が多すぎるので、大型作品が後回しになります。

どうせしばらく放置するなら、自宅で展示しちゃう??

以前より、地元、宇都宮で展示をやってみたいと思っていました。
地方都市でのテキスタイルアートの浸透具合はどんなものか?
ほぼ知られていない作風にどんな反応があるのか?
それに、居住を伴う個人宅を一般公開するのは怖い。

インビテーションでのプライベート展示でやっちゃえば??

そんな流れで、思い切って自宅で展示をすることに。
自宅公開もするけど、希望の方のご住所も頂戴する。
そこにインビテーションを送るというスタイルにしました。

告知期間は1週間のみで、試験的に3日間のみの展示です。
自宅の2壁使用で、雰囲気無視してぎっちり詰め込んで作品は6点。
キャプションもなし。

お客様も1日に数組のみの小さな展示です。
でも、試験的でもやって良かった。

自然光で観てもらえたから。
そもそも被写体が野生動物で、今回はアフリカの動物たち。
スポットライトよりも自然光のほうが生き生きとして観える。
どんな作品にも紫外線は天敵。
でも、太陽の光を受けた動物たちは伸びやかでした。
観てるこっちも気持ちが晴れやかになる。
これが一番の収穫。

困ったのは、展示でクローゼットを開けられなくなったこと。
狭すぎる自宅なので生活がストップ(笑)
3日間の短期で助かった。

次もやるかどうかはビミョーですが、よい経験になりました。
展示の室内用の様子。
激人見知りのチビ黒猫がクローゼット上の空間に潜んでいます(笑)

2022年4月26日火曜日

稲垣ヒロ子作品展「イトモノ」終了いたしました

千疋屋ギャラリーでの「イトモノ」展示。
お蔭をもちまして、無事に終了いたしました。
ご高覧いただきました皆様、本当にありがとうございました。
長くご縁のある方のお嬢さんから頂いたお花。
ギャラリーの片隅からずっと見守っていてくれました。

今回の展示は、不穏な社会情勢の中での開催。
観てくれる方いるかしら??
疑心暗鬼。
でも、目標なく作り続けるだけの日々も辛かった。
やっぱり動物たちは観てもらいたい。
ぜひ知ってもらいたい。

正直、恐る恐るの展示でしたが、やっぱりやってよかった!

今回、万が一中止や延期の確認のためWEB告知に力を入れました。
でも、WEBじゃ忘れられちゃうなぁ。
そう思っていたら、意外や意外!
思わぬ方々の来訪あり。

これまでの展示では、手芸・工芸関係の方が多かった。
手刺繍で作っていた時代が長かったから。

ところが今回は、WEBでなければご縁はないだろう業界の方々。
そして、大変な若返り(笑)

新しい視点での感想を頂きました。
手法じゃなくて、アートとして見てもらえた実感も強くあった。
参加できるかは不明ですが、今後のお話なども頂戴できた。
非常に有意義で得るものの多い展示でした。

今回、頂いた大いなる刺激と確信。
さて、それらをどうやって具現化していくか??
次に向けてしっかり飛躍していきたいと思います。
時期は未定ですが、展示は続けます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


さて、その翌日。
撤収、搬出したはずの千疋屋さんに再来訪。
ギャラリーの鍵を自宅に持ち帰ってしまったから!
実は二度目、常習犯です。
持参して返却した際に、ギャラリー階下でフルーツカレーを堪能。
辛いというより、スパイシー。
でも、スパイスとフルーツの酸味、甘みの組み合わせが絶妙。
美味しかった~!

搬入、展示、搬出すべて、いつも丸一日がかりの作業。
千疋屋さんにいながらフルーツを味わえなかったので、満足、満足。


さて、これからは戻った作品を整理。
展示に向けた1カ月間、捨て置いた生活の立て直し。
そして、世話している野良猫との関係修復。

まずはペースを戻して、次の制作!
実は、すでに作りたいものボンヤリあるんです(笑)